兵庫・丹波市議会、恐竜化石保護条例を可決〜5月施行 発見時、届け出「責務」

 兵庫県丹波市臨時議会が18日開かれ、「恐竜化石保護条例」が全会一致で可決された。同市山南町で国内最大級の恐竜「ティタノサウルス類」(竜脚類)とみられる化石が見つかったことに伴い、今後も恐竜の化石が発見される可能性がある地域を盗掘などから守るのが狙い。施行は5月1日。市側は県が調査体制を増強し、第2次以降の調査が加速する見通しも示した。

 条例は恐竜化石が見つかった現場を含む山南町上久下地区全体と同町の篠山川を保護区域に指定。保護区域内では、自己所有地以外での化石採取や土地の形状変更を禁じている。

 また、市長の判断で監視員を置くこともでき、化石を見つけた場合は自己所有地以外でも市への届け出を「責務」とした。保護区域内で禁止行為を行った者に対し、市長は原状回復などの措置を命じることができ、違反者は5万円以下の過料に処するとしている。

 当初、提案を予定していた条例案は、施行後3年をめどに検討を加えて見直しなどの措置を講じるとする付則を設けていたが、削除した。足立定之・市企画部長は「県立人と自然の博物館兵庫県三田市)が調査班を増やす予定で、当初の見込みより早く終わる見通しとなったため」と説明。

 山南町で22日にある「恐竜化石を活かしたまちづくりシンポジウム」に合わせ、恐竜化石について県と丹波市の役割分担と協力体制を明文化した基本協定書の調印へ向け、準備中であることも明らかにした。
(2007年4月19日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/dinosaur/20070419kf01.htm