学校変わるか未知数、仕組み・予算これから 教育3法

2007年06月20日23時52分

 20日に成立した教育関連3法で学校は変わるのか。安倍首相は同日、「成立によって、教育現場を一新していく、そして教育新時代を切り開いていきたい」と述べた。だが、参院の審議や公聴会を通じて提示された疑問点はすべて解消されたとは言えない。

 教員免許法の改正で教員免許更新制の導入の枠組みが決まった。講習の内容や、講習の中心となる大学での指導方法、修了認定の基準づくりはこれからだ。

 そもそも10年に1度、30時間の講習で効果があるのか。中央公聴会では、佐竹勝利・鳴門教育大教授が必要性を認めながらも、「個人の状況に応じた校内研修の方がいい」。水戸市の地方公聴会では池田賢市・中央大教授が「時代の変化に対応する資質を育てるのであれば、10年では遅い」と述べた。

 地方教育行政法の改正では、問題ある教育委員会をただすために国の関与の程度を高めることが決まった。中央公聴会では最首輝夫・前千葉県市川市教育長が「教育委員会を抜本的に変える必要がある。根本からやらねばならない」と、今回の改正では力不足との認識を示した。横浜市公聴会では今田忠彦・市教育委員長が「権限拡大も必要。独立性も尊重して欲しい」と発言した。

 学校教育法の改正では、副校長や主幹などの新しい職が設けられる。これに賛成した公述人から「定数改善が伴わなければ、なかなか効果があがらない」(吾妻幹広・前福島県石川町教育長)という声があがった。

 定数増のためには行革推進法の改正や予算増が不可欠だ。安倍首相は審議で何度もこの点を聞かれたが、「メリハリをつけて真に必要な教育予算について財源を確保」と繰り返すだけだった。
http://www.asahi.com/national/update/0620/TKY200706200419.html