淀川水系、整備基本方針案固まる 中止ダムの必要性も

2007年07月05日

 淀川水系の新整備方針を話し合う国土交通省の河川整備基本方針検討小委員会は5日、同水系に計画・建設中の5ダムを含めた「洪水調節施設」の必要性を盛り込んだ基本方針案をまとめた。5ダムについては03年、同省近畿地方整備局が設けた淀川水系流域委員会が「原則建設中止」を提言したが、同省の方針案は以前から5ダムの根拠としている水量の数値を追認した。

 方針案は、200年に一度の淀川の最大流量(基本高水)を大阪府枚方市で毎秒1万7500トンと想定。5500トンを上流の洪水調節施設でカットするが、稼働中のダムだけでは数値を満たさないため、新たなダムが必要になる、とした。

 学識経験者や自然保護団体関係者、流域住民らで構成し、独自の整備計画を検討していた流域委は03年、河川の生態系に重大な悪影響を及ぼすとして「5ダム中止」を提言。同整備局は05年、大戸川(大津市)、余野川(大阪府箕面市)の淀川水系2ダムについて当面実施しないとの方針を発表した。

 国交省の小委員会では整備計画作成の前提となる基本方針を検討しており、国交省が前回小委で5ダムについて「必要」と説明する資料を提出していた。

 基本方針は河川法に基づいて川づくりの長期的な指針となり、これをもとに、ダムや堤防など、今後20〜30年の具体策を盛った「河川整備計画」を策定する。同整備局は近く再開する流域委で計画について議論する。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200707050098.html