東和大学:廃校の可能性がある東和大、学生の編入先紹介で“混乱”

 経営不振により廃校の可能性が出ている東和大福岡市南区)をめぐり、運営主体の学校法人「福田学園」(同)が、複数の大学の名前を挙げて「東和大の学生の編入希望者を全員受け入れてくれる」などと公表したことに対し、4大学が「誤解だ」と主張するなど混乱が生じている。同学園から編入制度の有無などに関する照会を受けて回答した内容を学園側が都合良く解釈したことが原因。簡単に転入できると信じていた学生からは怒りの声が上がっている。

 福田学園によると、同学園は今月7日付で、九州、中国、四国などの大学約150校に対し、「学生が編入を希望した場合、受け入れる学部はありますか」という設問と、「ある」「ない」「検討する」という回答の選択肢を記した文書を送付した。同学園は、回答してきた大学の編入試験の日程や試験方法などを一覧表にし、22校について学園内の掲示板で紹介。このうち4大学について、「特別枠で受け入れ」「希望者原則受け入れ」と記した。

 しかし、「特別枠として30名まで受け入れ可」と紹介された長崎国際大(長崎県佐世保市)は、「他大学からも含めて編入試験全体の合格者が30人と答えただけ」として、「紛らわしい表現はやめてほしい」と電話で学園側に抗議した。

 また、「特別枠で希望者全員受け入れ可能」と紹介された第一工業大(鹿児島県霧島市)も、「電話で『積極的に受け入れたい』と話したのを拡大解釈された」。22日に学生向けの説明会を開くことにしている。

 「希望者原則受け入れ」と紹介されたのは長崎総合科学大(長崎市)。しかし、同大は「一般の学生と同じ編入試験を受けてもらうと回答した」と話している。「(東和大で取得した単位をこちらでの取得単位として認定する)単位の読み替えを検討中」と編入後の優遇策があるかのように紹介された下関市立大(山口県下関市)も、「編入制度があると回答しただけ。単位については言及していない」と困惑している。

 福田学園は学内の掲示とは別に今月13日、12大学の校名を列挙して「受け入れの回答を頂いた」という資料を報道機関などに発表。しかし、校名を挙げられた九州工業大(北九州市)は、「東和大の学生受け入れを決めたことはない」と報道機関に連絡した。

 これらに対し、福田学園の山崎正行常務理事は「各大学が説明した通りに紹介している」と反論し、訂正などはしないとしている。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06092151.htm